北陸地方を中心とした記録的な大雪はなぜ起きたのか。気象庁によると、原因の一つとみられるのは「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)という現象だ。
冬型の気圧配置が強まり、中国大陸から強い寒気が流れ込む際、冷たい風が朝鮮半島の白頭山など標高の高い山脈にぶつかっていったん二つに分かれ、海上の水蒸気の供給を受けながら日本海上で合流することがある。帯状の雪雲になり、狭い範囲に入り込んでいく。
これがJPCZと呼ばれる現象で、これによる雪雲が今月7日から断続的に北陸地方に入りこみ、大雪につながったと考えられる。
防災科学技術研究所の上石勲・雪氷防災研究センター長(雪氷防災)は「JPCZが本州にぶつかる位置や曲がり方によって、大雪をもたらすことがある。山側に大雪をもたらすことが多いが、今回は風向きなどによって、沿岸部でも大雪が降ったのだろう」と話す。
今後の見通しについては、「あと1カ月ほどは降雪しやすい状態が続くと考えられる。次の雪に備えて早めに雪をどかしておく必要がある」と話す。「被害のあった地域では高齢化が進んでいることもあり、疲れている人も少なくないだろう。事故がないよう慎重に作業を進めてほしい」と呼びかける。(小川裕介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル